救急搬送
夫からその日の午前中に病院を受診しようと言われていたが
何となく行く気になれなかった
体がだる重い感じがした
ここからの記憶は不明確で自信がない
あやふやながらに説明していく
病院に行く前日から母親に母親のときの出産(私を産んだ時)や
産後の様子を聞いても教えてもらえなかった
そのときのストレスが溜まり
病院に行く当日に
「なんで教えてくれないの!!」と
母親の胸倉を掴んで逆上したらしい
そして母を隅に投げ込んだ
夫が駆けつけると私は大きな声で発狂したそうだ
「うわぁー救急車呼んで」
****私の精神世界****
母親に話を聞いているだけなのに母は泣いていて話をしてくれない
(私が逆上しているため泣かせてしまった様子)
自分が閉じ込められているようで、狂暴な私が暴れまわっている
夫はタクシーで病院に行こうと言っていたがそれどころじゃない救急車だと
思った
腕切りまーすという声が頭に響き渡り絶叫してしまった
なんだが腕が痛くなってきた
そして母親からあなたはもう赤ちゃんにかえっていい 何も考えなくていい
(身の回りのことをしなくていいという意味)
その言葉が頭を駆け巡り、私は赤ちゃんの泣き声を出していた
「おぎゃーおぎゃーおぎゃー」
だんだん呼吸が苦しくなって泣き声すら出せなくなって
救急車はまだかと思った
薄れる意識のなか
ご先祖様の家系図が一気に目の前に広がり
一族の仇を取ってくれとどこからともなく聞こえた
そして私はお腹が痛み出し深呼吸をした
また私の体の中での出産が始まった
出産の手順が聞こえてくるのでその指示に従って体制を変えたりした
出産の痛みを体現できるただ一人の人間なのだと悟り悲しくなった
そんなとこをしている間にヘルメットをかぶった男性が3人現れた
*************
私はなぜか救急隊員にちゃんと救急車で来たか確認
「赤い車でちゃんときた?」
「どうせまた運んでくれないんでしょ」
名前確認などを全部拒否
そうしている間に暴れながら屈強な男性3人に担がれ救急車に乗った
救急車に乗っても不安な気持ちが出てきたため
夫に
「現実ハーイ!!現実ハーイ!!」って言って
救急隊員の方にもコールアンドレスポンスを要求した
(忙しいのに)
なんとか病院につくと場面展開が変わった感じがした
ここ病院ですよと言われても信じられなかった
私は病院が信じられない人間になっていた
「あなた本当に医者?ちゃんと免許もってる?」
「あなたも本当に看護師?免許忘れたとかないよね?」
「お芝居だったらしゃれにならないからね。怒るよ」
「私が認めた医者は6人しかいないけど、あなたたちはどっちなの?」
とにかく大声で叫びまくってた
タンカーでCT室に入るところから意識が途絶えてしまった
意識が戻ると私の父と夫が医師と面談をしていた
大変だったでしょう
全治3か月ですなどど聞こえてきて誰のことをいっているんだろう
私の赤ちゃんは?
意識を取り戻し、看護師からざっくり館内案内を聞くとどうやら
私が入院するらしい
こんなちゃんと説明もしないような病院は嫌だといったが聞き入れてもらえず
私1人で入院となった
(マタニティと精神科は同じ病院だったため)
夫からは
「ゆっくり療養して」
父
「もう大丈夫だから」
状況がうまく呑み込めていないが
それだけを聞いて入院病棟に入れられてしまった
私は暴れまくっていたが注射でも打たれたのか夜には眠ってしまった